中学生の皆さんへ
愛媛県教育委員会(以下、「県教委」とします)では、令和3年5~6月、県内の中学1年生約1万人を対象にアンケートを実施しました。
あなたが高校等を選ぶ際に重視するものは何ですか?
結果は以下のとおりでした(回答が多かった順)。
① 就職や進学の実績
② 通学の利便性(通いやすいかどうか)
③ 部活動の充実
④ 学科やコースの内容
⑤ 保護者もしくは友人・知人の意見
上の①~⑤について、県立学校の状況を説明します。
① 就職や進学の実績
県立高校と県立中等教育学校後期(以下、「県立高校等」とします)の卒業生は、就職率はほぼ100%、進学希望者は、普通科出身者3人に1人以上の割合で国公立大学に進学するなど、優れた実績※を収めています。これは、例えば小規模校の高校であっても、そこに勤務している先生たちは、大規模校・専門高校・特別支援学校など、様々な学校で勤務してきた経験豊かで専門性が高い先生であり、生徒一人一人に応じた適切な指導・支援ができ、このことが県立高校等の大きな特長です。県教委では、どの地域の学校からでも、第一志望の進路を目指せる環境づくりに努めています。
※ 令和5年度国公私立大学入学者選抜実施状況(文部科学省公表)によると、令和5年5月1日時点で、全国の大学の入学者数が624,615人、そのうち国公立大学に在籍する生徒は132,909人(入学者数の約21%)です。
② 通学の利便性(通いやすいかどうか)
家からの距離が近い地域の学校は、通学時間が短く、通いやすく、事故のリスクが小さいことは当然。加えて、県立高校等では、県教委主催事業である「ソーシャルチャレンジ for High school事業」において、全ての学校で地域課題を題材とした課題研究に取り組んでいます。県教委の調査によると、課題研究を経験した生徒の約6割が、「課題研究は大学受験に役立った」と回答し、理由として、「行きたい大学や学部(学科)が見つかった」「小論文や面接に生かせた」という意見が多く見られました。最近、「高校の魅力」という言葉をよく聞きますが、高校の魅力とは、その学校で活動している「生徒の魅力」です。県立高校等は、生徒がやりたい研究活動等をがんばり、そのことで成長し、将来の夢を見つけ、巣立っていける学校です。地域の県立高校等は、ただ「近い」だけでなく、住んでいる地域のよさを改めて発見できる学校です。
③ 部活動の充実
県立高校等では、多くの生徒が、勉強と部活動の両立に励んでいます。令和6年度、県立高校等の生徒の運動部加入率は約53%、文化部加入率は約37%でした。様々な大会やコンテスト等、努力の成果を発表する場があり、自分や仲間の成長を実感することができると同時に、仲間との友情を育むことができます。
また、中学時代に比べて活動範囲が広がります。例えば運動部について言うと、令和6年度、県立高校等で運動部に所属している生徒のうち、約48%の生徒が、学校の代表として県総体に出場しました。
④ 学科やコースの内容
県教委では、令和5年3月に、「県立学校振興計画」を公表しました。計画は、県立高校等は生徒の夢や希望を実現するための第一歩として、「子供たちに一番に選ばれる学校」であらねばならない、との思いで策定したものであり、のべ39の学科・コースを新設するほか、進学型総合学科や昼間二部定時制など、これまで本県になかった新しいスタイルも導入することとしています。新しい学科・コースは、理数情報・国際・健康スポーツ・教員養成・社会共創など多様であり、現在、対象となる学校ごとに設置した準備委員会で、カリキュラムや大学・企業等との連携の在り方等について検討しているところです。このように、県立高校等では、これから高校進学を目指す中学生の皆さんが将来の目標を見つけることができたり、夢に向かって努力することができたりするよう、教育環境を整えているところです。計画は令和7年度以降にスタートしますが、準備段階でも、振興計画の円滑な実施に向け、学校ごとに特色のある取組を行っていますので、ぜひ、学校案内を読んだり、学校見学会に参加したりしてみてください。
⑤ 保護者もしくは友人・知人の意見
高校を選ぶということは、将来の生き方に結び付くことなので、保護者の方、担任の先生や友人等とよく話し合い、自分が本当にやりたいことは何なのか、何を目的に高校に行くのか、よく考えることが大事です。その際、参考にすべきは情報(データ)であり、このホームページを作成した目的は、中学生の皆さんに、進路を考える際に必要な、様々な情報を提供することです。
例えば、「県立高校等に入学すると塾に行かなければならないが、私立高校であれば塾に行かなくてもよい」という噂があるようです。しかし、「県立高校等と私立高校で、それぞれ○%の生徒が塾に行っているのか」というデータは、県教委にはありません。はっきりと調査されていない内容が、噂として流されているようです。県教委で把握しているのは、「令和5年度、県立高校全日制の全ての高校で夏季休業中の補習授業を実施、8割以上の高校で平日補習を実施するなど、普通科だけでなく、総合学科・専門学科であっても、授業以外の学習機会を提供し、進路実現や資格取得等に向けて生徒を支援している」ということです。
噂ではなく、情報(データ)を参考にしてよく考え、実際に高校見学もして、志望校を決めてください。そして中学生の皆さん、高校進学した後は、自分の決断を信じて、後ろを振り返らず、ぜひ卒業までやり遂げてください。